松明

781 ななしの霊体験 **/**/** **:** ID:NTkj7LKsx9

じゃあ解決済み・相談済み・検診クリアの私の話


演練場から本丸に帰ろうとした時のことだった

ゲート潜ったら真っ暗な場所に放り出された

もうこれだけで私はパニック

唯一の救いは鳴狐と手を繋いでたから鳴狐も一緒だったこと

私背が低いから演練場ですぐ人波に揉まれてはぐれるんだよね

だからいつも誰か刀剣男士が手を繋いでた

っていうとちょっと和やかに聞こえるけどまあ犬のリードみたいなものだよね


鳴狐は私を落ち着かせてから辺りの確認をした

私も目が慣れてきてそこがどういう感じのところなのか分かってきた


一面の彼岸花の海だった


それが分かったときはなんだかすごくゾッとした

思わず鳴狐に抱き付いたけど

いつもならすぐ剥がされるのにこの時は剥がされなくて

ああやばいんだって思った


一旦切る

782 ななしの霊体験 **/**/** **:** ID:NTkj7LKsx9

どうしたらいいんだろうって思ってたら

鳴狐は少し考えてから私にシィ、ってやった

静かに、のポーズ

その時お供がまったく喋ってないことに初めて気付いた

でももう頷いちゃった手前、大丈夫?とも聞けない

鳴狐は私が黙ったのを確認してから膝をついて彼岸花を一つ摘んだ

そしてそれを頭より少し上に掲げて

私の手を握って歩き出した


鳴狐はそれから何も言わないし振り返らないしお供はしゃべらないし

手を握る力はどんどん強くなっていくけど

私は静かに、って言われて頷いたんだからって半べそでついていった

不安でたまらなかったけど

私が頷いたのは鳴狐を信頼しているからだし

喋ることは自分がおいた信頼を裏切るような行為だと思ったから


鳴狐が持ってる彼岸花は少し光っててまるで燃えてるようだって思ったのを覚えてる

遠くで同じように光ってる花があってその方向へずっと進んでいった

どれくらい歩いたのか分からない

私はすごく長い間歩いていたような気がしてた

進行方向に灯りが見えて

一瞬鳴狐が足を止めてからまた繋いでる手に力を込めて

そのまま歩き出した

声を上げそうだったけど私は唇を噛み締めてた


ごめん

もう一回で終わる

783 ななしの霊体験 **/**/** **:** ID:NTkj7LKsx9

灯りの中に鳴狐が入っていて引っ張られる形で私も入って

次に起きたら本部付属の病院だった

心臓発作起こして倒れてたらしい

当たり前だけど倒れた時はみんな慌てて何したらいいのか分からなかったみたいだけど

鳴狐がまるでお供のようなテンションで周りに指示して病院に運ばれたんだよって聞いた

びっくりした


退院してから鳴狐に聞いてみたけど

必死過ぎたから覚えてないって誤魔化された

ついでに話を聞いてるはずの職員さんにも誤魔化された

だから知らない方がいい話なんだろうなって思ってる

何はともあれ帰ってこれてよかった


明日鳴狐が修行に行くので記念に書きました

まとめ下手で長々とすみませんでした

785 ななしの霊体験 **/**/** **:** ID:ireRfDRHJ2

信頼を糧に喋らなかった781もすごいけど

ずっと黙って振り返らなかった鳴狐もすごいな

俺もこういう信頼関係築けるようにがんばろ





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執筆
japonicum