滲み出ていくシグナルはブルー 

 苦しいなら無理をしなくても良いんですよ、と主は言った。それが別段同情や、へし切長谷部を遠ざけたいが故の嘘だとは思わない。
「私は、皆さんに無理をさせるつもりはないんです」
だからへし切長谷部はそれが彼の本音なのだと知っている。知っているけれども。
「主、」
 やっとのことで出した声は涙に滲んでいた。
「俺が、無理をしたいんです」
つらい、くるしい。そんなのは分かっている。それでも、無理をしたいのだ。
「貴方の、力になりたいんです」
無理をしても、彼の力に、なりたい、のだ。

 「…でも、アレルギーは辛いでしょう」
「アレルギーくらい、圧し切ってみせます!」
「出来てないじゃないですか。今度万屋でマスク探してきますから。あと、効くかどうか分かりませんけど薬も」

約30の嘘
http://olyze.lomo.jp/30/index.html



20170131