戦場に出て敵を倒すとその場に刀剣が現れることがある。これを加州清光の主である猫はドロップと呼んでいた。城にある鍛冶場に資材を持っていくと、妖精が刀剣を作ってくれる。これを猫は鍛刀と呼んでいた。 ドロップと、鍛刀。 今のところ加州清光と猫が知っている、刀剣男士を増やす二つの方法である。 柿の木栗の木かきくけこ 鍛刀については資材枯渇が怖いからと、猫は慎重になっているようだった。しかし、ドロップにはそういった資源枯渇の心配がないので拾ってくるなと言われることはない。勿論、出撃が伴うので手入れで資材は使うには使うのだが、猫は手入れのために資材を確保しておきたいらしいのでそこは良いらしい。と、いうのもすべて猫は勘≠フ一言で済ませているが、加州清光に猫にはそういう知識があるのだろうと思わせるには充分だった。 ただいま、と出迎えに出て来た猫に言ってから、加州清光は手に持ったものを見せた。 「お土産ー。ダブったのはとりあえず保管庫に持ってってもらったけど、これは初めて見るから」 「ありがとうございます。短刀、でしょうかね?」 「多分そう。今喚び出す?」 「あ、ちょっと待っててくださいね」 そう言った猫の後ろからひょっこり顔を出したのは政府の狐だった。 「あれ、何か連絡だった?」 「こんのすけは審神者様がスムーズに運営を出来ているか視察に来たのですよう! 何事も初動が大切! 分からないことなどありましたらどんどんこんのすけに聞いてくださいまし!」 「あ、じゃあ今顕現しても良いですか」 「主、今それ聞くこと?」 「どうぞ!」 「あ、良いんだ」 という訳で猫の肉球が刀に触れて、そこから桜が舞って。 「僕は、五虎退です。あの……しりぞけてないです。すみません。だって、虎がかわいそうなんで」 ふわふわとした白の頭に、同じようなもふもふが五つ。 「虎…」 「わぁ虎ですねえ」 のほほんと言う猫。その隣には政府の狐。 「此処は動物王国か何かか…」 「すみませんねえ、私がこんな呪いに掛かったばっかりに」 「いやアンタの所為じゃねーけど…」 呪いで猫になったというのは聞いていたが、それは猫自身だけに掛かるものであってきっと元から五虎退はこういう刀剣男士なのだろう。加州清光だってそれを責めることはしない。食費大丈夫かな、とは思うがそれはあとで猫と相談すれば良いことだろう。 「君が動物嫌いじゃなくて良かったです」 恐らく笑ったその猫に、なんだかとても胸が暖かくなった。 20170131 |