L→月

 雨の降る日。
「―――……」
Lは黙って空を見上げていた。隣には、夜神月が眠っている。
 もしも。
 もしも今、自分の手に短剣があったならば、自分はこの男を殺せるだろうか? 何の警戒も持たず、ただソファの背もたれに頭を預けて眠る月。今は閉じられている瞳は、間違いなく、人間を愛している者の目で。
 Lは首を振った。
 自分に、そんなことが出来るはずがない。
(何故?)
まだ月が、キラだと確定していないからだろうか。でもあと少しして、証拠を発見して、月=キラだと証明された時は?
「アァ」
 Lは呟いて、月の頭を撫でた。
「私はこんなにも、貴方に溺れているんですね」



20080229
20221202 改定