LIGHT 光に当てれば金にも見えるその髪は、本当にその名前に良く映えると思った。 「初めて、だったんです」 Lは呟く。 「今までは、人間の寿命など、取る気は全くありませんでした」 何も書いていない、真っ黒い表紙とは正反対の、中身の真っ白なページ。彼の優しさから来る、彼自身を傷つけていたもの。 「生きようとも、思わなかったのかい?」 「えぇ」 Lは軽く頷く。 「生きているのは、罰なのだと思いました。私たちは、生きてる限り、たくさんの人間の死を目の当たりにする。それが、私には非道く辛いものでした。だから思ったのです。これは、罰なんだと…」 月は空を仰いで、聞いた。 「今は?」 「え?」 Lが月を見た。 「今はどうなんだ? 今も、生きたくないのか?」 「まさか」 Lは小さく笑うと、月に寄り添った。 貴方の隣ならば、生きていこうと思えるのだから、不思議ですね。 * 20080229 *** さだめ 「どういうことだ?」 月が聞いた。 「死神は本来、人間を殺すものです。故に、人間を生かすような真似はしてはいけない」 Lは淡々と話す。時折、風に揺れるかのように、薄い羽根が動いた。 「人間は、絡み合う運命の中で生きています。その運命を覆すことが出来るのが、死神」 「いまいち分からないな」 月が首を傾げた。 「例を挙げてみましょうか」 Lは指を立てた。 「死神には目≠ェありますね」 「あぁ。名前と寿命が見えるって奴だろ?」 「月くん。もし貴方が死神だったとして、人間に恋をして、その人間の寿命が今日だったらどうしますか?」 「え…」 月は少し考えて、 「その人間の寿命を減らす者が居るなら、そいつを排除するかな」 「それです」 「は?」 呆けた声を上げた月に、Lは続ける。 「では、その寿命を減らす者を排除した後、貴方が恋をした人間の寿命はどうなるでしょう?」 「もちろん伸びて…」 そこまで言って、月はハッとする。 「…そう言うことか」 「はい」 Lは静かに頷いた。 「だけど私は、後悔なんてしてませんよ」 「当たり前だ。後悔されても困る」 二人は寄り添う。 でも もしも 私が向こうに居たとしても きっと 貴方を見付けたと思います 残りの時間を分けあわなくても 私は きっと 貴方に恋をする運命だったのです 文頭:クロハコ様から引用 * 20080229 20130122 改訂 *** 20221202 改訂 |