常春の楽園:山古



一度、問うたことがある。
どうして此処にはいつ来ても花が咲いているのか。
その質問に古橋は笑って、だってその方がいつだって春みたいで良いじゃないか、そう言った。

「春、ねぇ」
息を吐く。
白い雪の積もるその山で、白い建物は埋れそうな印象を与えていた。
こうした風景を見ていると、
確かに冬よりかは春の方が安心というものが得られるような気はするが、
古橋がそう言った意味で言ったのではない気もしていた。
ならば、何故。
息を吐く。
白く染まった空気が背景に溶けて行く。
「春、かぁ」
なんだか胸の辺りに桃色をぶち込まれたようで、変に落ち着かない、そんな気分だった。



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20131206