寂寥:花瀬



ベッドで寝返りを打つ顔はどこか苦しそうだった。
薬が切れたのかもしれない、そう思って立ち上がる。
注射器を用意して、足音を消して瀬戸に近付いた。
「赤司ですよ」
ちくりとしますよ、その言葉の代わりに彼が一番に信頼をおく神器の名前を騙る。
するとその表情は忽ちに安堵の色を呈するのだから報われない。

「…馬鹿だろ」
囁く。
安寧のための、平等のための、誇りのための。
どう言葉で飾ったって、これはきっと裏切りにしかならない。

花宮が、そんなものを抱えていることも知らないで。



(囁く、安堵、ベッド) 診断メーカー
20140211