焦げ付いたその羽根で飛んでみせて お前のさ、その羽根が。 原は言う。何を言うのだろうな、と思いながら灰崎は寝返りを打つ。 「なくなっちゃってよかった、って言ったら、お前はオレのこときらいになるかな」 「切り落とすとか言った奴の台詞じゃねぇな」 「…そだね」 「お前はさぁ」 何を続けたら良かったのか。言葉に詰まる。 「オレに遠慮とか、今更だろ」 「うん」 「暴力もふるうしさ」 「…うん」 「でもオレはお前のこと好きだし、嫌いになれねぇよ」 馬鹿な話だ。呪いの根源を、隣に置くような。 「…うん」 それでも、その笑みを幸福だなんて思うのだから。 ああ、すくわれない。 * hafen http://nanos.jp/kurumo567/ 20151127 |