路地裏猫 ふわり 猫の、尾が動いた。 「ついて、来ますか?」 チリン 首輪の鈴が鳴る。 「どうするんですか?」 あたしはただ、目を丸くした。 猫が喋るなんて、予想外のこと。 「あなた次第、ですよ?」 猫は誘うように、尻尾を振る。 「ついて、来ないんですか?」 誘われるように、あたしは立ち上がる。 「案内、しますよ」 チリン 「不思議な、世界へ」