20150309女子力で殴ろう 愛しい人よ 廃屋にこんな小さな子供を閉じ込めて、何をしようと言うのだろう。 月下の双生児は万能薬になるという記述から目をそらせぬまま、私はその子供たちの頭をなぜた。 双生児、廃屋、月下の * 愛してない愛してない愛してない 憎しみのあまりに化けて出るというのは聞くけれども。 「愛しさのあまり変身しちゃいました!」 なんてことを言いながらDVDが擬人化して迫ってくるなんて、 ピグマリオンもびっくりな展開あるわけない。 憎しみの、変身、DVD * Mr.マドンナ 漫画喫茶にはマドンナがいる。 この言い方はもう古いかもしれないが、マドンナはマドンナなので仕方ない。 毎日通っている僕が、見かねた他の店員に絶望の事実を聞かされるまであと少し。 マドンナ、漫画喫茶、絶望の * 愚者の街 心折れた人間が行き着く港がこの世界の何処かにはあるらしい。 「きっとそこには賢者しかいないのだろうね」 「何故?」 「だって愚者はきっと、折れる心の存在すら知らないよ」 「そういうものかなあ」 本物の賢者であるのならば、心が折れない方法も知っているのではないだろうか。 賢者、港、心折れた * さよなら守られるだけのお姫様 眠れる森の美女が殺戮の女王になった経緯を話た訳だが、 ウィリアムくん、 女性というのはそもそもが強い生き物だから相手が美女ではないからと言って油断してはいけないよ? 女性、眠れる、殺戮の * いやだいやだたたかいたくなんかない 亡命したのは生きたいからだ、征服されたくないからだ、 故郷を捨てても友を捨てても、私だけは生き残りたかったからだ。 それが。 「なんでバトルする羽目に!?」 「それが運命だからだよ!」 君は神様に愛されたんだ! さあ戦って愛する祖国を取り戻そう! そんなふうにスローガンを掲げる隣の自称妖精を、 殴っても、いや殴り殺しても許されるだろうか。 亡命、バトル、征服 * それ以前の問題では? 黒いコートが翻る。 いろいろあって暗殺者にスカウトなんてされた僕ではあるが 本当のことなんて言えないので家族には留学が決まったことにしてある。 「ああ神様、家族に嘘を吐いた僕をお許しください!」 留学、暗殺、黒 * ハッピーネガティヴ 放課後っていうのは校則から解放される時間なんだよ。 学校のうさぎ小屋で、うさぎを抱えて彼女はそう言った。 その小屋が血塗れになってうさぎが一羽残らずいなくなったのは翌朝のことだった。 放課後、校則、うさぎ * 女子力で殴ろう 放課後はカフェにいくべきでちゅ! と、隣で妖精が喚くのを無視する。 女子力をあげるだの何だの、説明は全然聞いていなかったけれどどう考えても余計なお世話だ。 放課後、カフェ、妖精 * むり 物理的に無理なことなんてたくさんある。無茶な進撃の結果部下を失うなんて真っ平だ。 そんなふうに上司に食いかかろうとして、生来のドジっ子気質を発揮して俺は転倒した。 「大丈夫ですか、大佐」 「………だいじょばない」 進撃の、転倒、物理ライトレ