コスモス 秋風に揺れる、薄紅色の花。 「はいどうぞ」 少女は花を差し出した。 「え」 「コスモス。 “あきざくら”ってかいて、コスモス」 少女は笑う。 少年は、戸惑いながらも花を受け取った。 「もらってくれて、ありがとう」 少女は微笑って、 消えた。 「“少女の愛情”か…」 少年の呟きが、響いた。