冤罪
「やってない」 少年は言う。 「でもね。 現場には君しか入っていないし、君以外の指紋も出てきてないんだ。 目撃者もいる」 刑事の言葉。 「でも、僕はやってないし、あそこにも行ってない」 少年は泣きそうだった。 何故自分が疑われるのか。 何故、行ったこともない所に、自分の形跡があるのか。 人を、殺した。 臆病で弱くて、こんなにも惨めな自分に、そんなことが出来るはずがないんだ。 “そう お前には” どこかで、声が、した。
20071202
title