たとい神が許すと言おうと無意味でしかない
なくて良かった出来事などないと、 きっとあの白い子供は言うのだろうということは分かっていた。 感情の揺れというこの仕事をする上ではひどく致命的なそれで、 誤ってこの手に渡ってしまった光。 痛くてつらくてそのまま返すことも出来なくて、封印という形をとってしまったもの。 それは確かに失敗で、正直にそのことを告げるなど出来なかった。 けれどもそれを神妙に告白したとしても、彼女はきっと笑うのだ。 いつものあの奥の見えない笑顔で薄く、薄く。 だから今日も私は、ごめんなさいと一人呟く。
使用語:子供 イメージ:後悔 診断メーカー
20131012