20130226白く白く 星が尾を引く 狐火の灯籠が灯る夜 のばらの花束を 黎民は抱き抱え 明日を祈り 堂奥をそっと覗く 言葉遊び 「涼水、宝物庫なんか覗いて、何かあるノ?」 白い影は問いかける。 「ううん、何でもない。 ただ何となく…覗いてみたく、なっただけ!」 黒い影は振り返ると、白の方へと駆けていく。 星のとても綺麗な夜、二人は望遠鏡を持ち出して、 「ホラ!流れ星今来たヨ!」 「え、ちょっと、見逃した!」 「ハイ、涼水が今度こっち使ってヨ」 「ありがと〜」 「ア、まタ!」 「ええ、まだ私一回も見てないのに!」 流れ星を探す。 その小さな願いを、思い続ける為に。―――どうか私の 僕の大切な人たちが幸せでありますように――― 白く白く 星が尾を引く 狐火の灯籠が灯る夜 のばらの花束を 黎民は抱き締めて 明日へ祈った愛を 堂奥にそっと隠す