蹴る馬もいない道はただただ居心地が好い 人の、視線を。その意味を。考えるようになったのはそれしか出来ないからだった。 「囀祭では良い成績を収めたようね」 焦がれる視線の上に出て、そう笑みを浮かべる。 「貴方様の目にとまれるなんて、身に余る光栄でございます」 そんなこと、微塵も思っていないくせに。 今後も期待しているという言葉を掛けて、それで上品に手を振って別れる。 背後から刺さる射殺すような視線が、ひどく心を満たしていた。 勘違い、じゃない