「わたしも、なつはにあいたい」 酔っているのか、あまりにも拙い口調が電話越しに耳を擽る。 「…何、デレ期?」 ばくばくと落ち着かない心臓を押さえつけるように、笑ってみた。 口の中がからからする。 泣きそう。 「そ、でれき。なつはぁ」 甘いそれにつられそうになるのを堪えた。 好きな人がいるのだと、だから協力してほしいのだと、笑った彼女の笑顔を壊したくない。 「はいはい、今度こっち来る時は遊びに行こうな」 好きだなんて、言えるはずがないのに。 診断メーカー