一年後、追記。 

 僕は貴方ではない人を好きになり、中学を卒業しました。その恋は中学で終わり、高校で新しい恋を見つけました。けれどやはり、貴方のことは大切なのです。僕の恋には、(大抵の恋はそうであるのでしょうが、)障害がたくさんありました。妨害もありました。珍しく、競争率の高い人を好きになってしまったものです。今貴方は、僕が願った通り、幸せになっていますか。
 貴方の恋人の噂を聞きます。その噂を聞く度、僕はひどく嫌な気分になります。その噂が、貴方とのものではないからです。これは、いけない感情なのでしょうか。嫉妬、に近いものなのかもしれません。僕は、まだ貴方を、心の何処かで愛してしまっているのかも。僕は思いましたが、その考えは振り払いました。今、僕は違う人を見ています。認めたくはありませんが、貴方に少し、似ています。
 貴方は僕ではない他の人を見ていて、その人も、貴方を愛していて。それで貴方が幸せならば。それで良い、と思えてしまう僕は、不毛な人間なのでしょうか。
 きっと、貴方を愛したことを、忘れることは出来ません。こうして気持ちを書き出すのも、貴方が最初で最後でしょう。僕はこの先の人生で、貴方以上に愛する人に、出会えない気がしてなりません。
 貴方の記憶のすみに、息づいていた僕は、いつか消えてゆくのでしょう。それでも構いません。僕の記憶からも、貴方が消えてしまうかも知れません。未来のことは誰にも分かりませんから。
 でも。
 もし、これを見る日が、来るのなら。

 時々、思い出してくれると嬉しいです。



某年 某月 某日 某所

僕 より 精一杯の愛を込めて


貴方へ

 最後のラブ・レターを



誰が何と言おうとあの時の僕は全身全霊で貴方を世界で一番愛していました。








20090906
20100227 加筆
20101030 再加筆 20160419 まとめ